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Channel: ★★★ちろりん堂★チロちゃんの猫マンガ
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事件つづき

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町内を探しているとき、目についた人全部に
猫を探してるから、もし情報が有ったら知らせてくださいとお願いした。
 
 
 
 
夕方5時半
外はもう真っ暗
疲れてきたけどでも、どこかの暗闇の中にチロが居るような気がして
探すことをやめられない
 
母が探し疲れて家に戻った時、電話が鳴ったらしい。
出てみると近所の人からだった。
 
 
動物病院に捜索の張り紙をさせてもらうようにお願いしたら?
それと町内に回覧板を・・・・・
情報では無く心配しての内容で、
 
そして
 
そのとき・・・・・・
 
 
 
トントントン・・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
白いのもが階段を降りてきた。
夢を見てるようだった、と母は言っていた。
それはチロだった。
 
 
 
 
 
行方不明になってから5時間半
チロは家の中に居たのだった。
しかし、
どこに?
家中猫が居そうな場所くまなく
何度も見て回ったはずなのに。
 
 
 
泣きながらすがりつく母とおいらの姿に
いつもと違う雰囲気を感じてチロはテーブルの下に逃げ隠れた。
 
 
 
 
実家に預けて一週間で、
7年暮らした飼い主に冷たい態度をとるチロを見て、
「猫って薄情だな。結局可愛がってくれれば誰でもいいんだな。チロはおいらでなくてもいいんだな。」
そう思って、もう猫好きを返上する気持ちだった。
チロなんか知らない。実家の子になっちゃえ。
そして、金魚飼おうかとか小鳥にしようかな・・・とか考えてた。
 
 
 
 
おいらは忘れていたのだった。
なぜチロがおいらの所に来たのかを。
 
 
チロは先代の猫マアちゃんが、
自分の死後
独りぼっちになるおいらを心配して猫の神様にお願いしてくれて
それで来た子だったのだ。
チロが白いのは神様の子だからだ。
 
 
預けられたチロの気持ちも考えず
縁を切ろうとしているおいらを見て
猫の神様がチロを隠したのだと思う。
 
 
 
そして、チロの大事さを思い知っている姿を見て
返してくれたんだと思う。
チロも帰りたいと言ってくれたんだと思う。
 
 
 
今も思い出すと身の毛がよだつ事件だった。
チロをなくすことは悲しみと言うより恐怖だった。
無事に元気でいてくれれば、それでいい。
 
工事が終わった後引き取るかどうかは決めていない。
帰りたいかどうか
その時が来たら、チロに聞いてみようと思う。
 
 
おわり
 

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